バックネル大学TA通信(2022年秋学期)
バックネル大学TA奨学生制度は、人文社会学部国際文化学科の学生をアメリカ?ペンシルベニア州のBucknell Universityに日本語のティーチング?アシスタント(TA)として9ヶ月間派遣するプログラムです。TAと言っても補助的な役割ではなく、現地学生が受講する日本語の授業を、一人の教師として授業計画から試験の採点まで担当します。
また、学生として自分の好きな授業を各学期1科目履修することができるので、プログラム参加者はTAの仕事と受講する授業の両立に悪戦苦闘しながらも、充実した日々を過ごしています。
2022年8月からの第18期生には、髙木萌々佳さんと井上恵美里さんの2名が参加しています。渡米から半年経った現地での近況を聞いてみました。
また、学生として自分の好きな授業を各学期1科目履修することができるので、プログラム参加者はTAの仕事と受講する授業の両立に悪戦苦闘しながらも、充実した日々を過ごしています。
2022年8月からの第18期生には、髙木萌々佳さんと井上恵美里さんの2名が参加しています。渡米から半年経った現地での近況を聞いてみました。
Q1. 秋学期が終わりました。今の率直な感想を聞かせてください。
大きな問題もなく、無事に終えられて嬉しいです。それと同時に、既にプログラムの前半が終わってしまい、寂しく悲しいです。
秋学期が始まる前、渡米直後には、まず留学生用のオリエンテーションに参加しました。多くの1年生たちと混ざりながら学内を紹介してもらい、毎日様々なアクティビティがあり充実していました。秋学期が始まると、毎日楽しいことばかりではなく、授業についていけず辛い時や、思い通りに日本語の授業を行うことができず悔しい思いもしました。最初の5カ月を終えた今では、あっという間に過ぎてしまったなと感じています。一緒にプログラムに参加している髙木さんからは、いつもたくさんの刺激をもらっています。お互い支え合いながら、残りの5カ月も楽しみたいです。(井上さん)
秋学期が始まる前、渡米直後には、まず留学生用のオリエンテーションに参加しました。多くの1年生たちと混ざりながら学内を紹介してもらい、毎日様々なアクティビティがあり充実していました。秋学期が始まると、毎日楽しいことばかりではなく、授業についていけず辛い時や、思い通りに日本語の授業を行うことができず悔しい思いもしました。最初の5カ月を終えた今では、あっという間に過ぎてしまったなと感じています。一緒にプログラムに参加している髙木さんからは、いつもたくさんの刺激をもらっています。お互い支え合いながら、残りの5カ月も楽しみたいです。(井上さん)
プログラムが半分終わってしまったのかという少し寂しい気持ちと、これまでのここでの生活を乗り越えられた自分を少し誇らしくも思います。
秋学期が始まる前には大学側がオリエンテーションを提供してくれ、同じインターナショナル組で1週間程度を過ごし、人間関係を構築することができました。それによって多くの友達を作ることができ、その人間関係を大切に今も生活を送っています。特にほかの言語のTAたちとは多くの時間を共に過ごしており、家族のような存在になることができました。それぞれが違う環境や国で育ってきたにもかかわらず、お互いの文化や考え方を尊重し、ともに支えあっているように感じます。これからの春学期も今までの人間関係を大切に、そして新たな可能性への挑戦を忘れずに過ごしたいです。(髙木さん)
秋学期が始まる前には大学側がオリエンテーションを提供してくれ、同じインターナショナル組で1週間程度を過ごし、人間関係を構築することができました。それによって多くの友達を作ることができ、その人間関係を大切に今も生活を送っています。特にほかの言語のTAたちとは多くの時間を共に過ごしており、家族のような存在になることができました。それぞれが違う環境や国で育ってきたにもかかわらず、お互いの文化や考え方を尊重し、ともに支えあっているように感じます。これからの春学期も今までの人間関係を大切に、そして新たな可能性への挑戦を忘れずに過ごしたいです。(髙木さん)
Q2. TAとして担当した授業について教えてください。
月曜日と水曜日、金曜日の週3日に1日2クラスの授業を担当しています。授業を全て日本語で行わなければならないというルールがあり、学生とのコミュニケーションに苦労することがあります。簡単な日本語を使い、どのクラスがどの程度の単語を習得しているかを理解し、覚えておく必要があります。私たちにとっては簡単な表現でも、学生たちが未習得の場合や、理解が不十分な場合があるため、やさしい日本語を意識しています。
日本語のレベルを学生に合わせること以外にも困ることがあります。それは、準備した授業プランを予定よりも早く終えてしまうことです。想像よりも学生の習得スピードが速い中級クラスでよく起きた事です。時間以内に必ず終える内容に加えて、時間が残った場合を想定して授業プランを毎回たてますが、それすらも終わってしまうことがあります。そういう時は、フリートークの時間にして、その授業で習った文法事項を使って最近あったことなどを話していました。この時間が思いがけず学生から好評でした。
学生がより理解しやすいように、学生から直接フィードバックをもらうように工夫しています。定期的に、どの内容がわかりやすかったか、教材はわかりやすいかなどを実際に体験している学生から聞くことで、常に授業の改善に努めています。また、同時に聞き取りを通して学生との信頼関係も構築できていると感じています。(井上さん)
日本語のレベルを学生に合わせること以外にも困ることがあります。それは、準備した授業プランを予定よりも早く終えてしまうことです。想像よりも学生の習得スピードが速い中級クラスでよく起きた事です。時間以内に必ず終える内容に加えて、時間が残った場合を想定して授業プランを毎回たてますが、それすらも終わってしまうことがあります。そういう時は、フリートークの時間にして、その授業で習った文法事項を使って最近あったことなどを話していました。この時間が思いがけず学生から好評でした。
学生がより理解しやすいように、学生から直接フィードバックをもらうように工夫しています。定期的に、どの内容がわかりやすかったか、教材はわかりやすいかなどを実際に体験している学生から聞くことで、常に授業の改善に努めています。また、同時に聞き取りを通して学生との信頼関係も構築できていると感じています。(井上さん)
1年生の授業については私、井上さん、バックネル大学のアームストロング先生で1週間に9コマ担当しました。3人がローテーションで回るようになっており、2週間ですべてのクラスを2回見ることができるようにスケジュールを組みました。1年生の授業については履修者が合計35名ほどおり、9?10?11?12?3時のクラスが週に3回ありました。週に1回のミーティングで1週間のレッスン内容を確認し、その内容をすべてのクラスで同時進行で行いました。苦労した点としては、クラスの進行速度をそろえる点です。5つのクラスがあり、それぞれのクラスの特徴を踏まえたうえで、同じ内容を同じ速度で行うため、どの部分ができていなかったのかなどを共有することを心がけていました。
2年生の授業は2週間で3回担当するというスケジュールでした。前半はバックネル大学の金子先生に作ってもらったレッスンプランをもとに授業を構成していましたが、後半には徐々に自分たちでレッスンプランを作成し、それを添削してもらうという形にしました。復習のクラスではどのようにしたら効率的に多くの文法事項をわかりやすく学ぶことができるのかを考え、工夫し、レッスンプランを作成しました。(髙木さん)
2年生の授業は2週間で3回担当するというスケジュールでした。前半はバックネル大学の金子先生に作ってもらったレッスンプランをもとに授業を構成していましたが、後半には徐々に自分たちでレッスンプランを作成し、それを添削してもらうという形にしました。復習のクラスではどのようにしたら効率的に多くの文法事項をわかりやすく学ぶことができるのかを考え、工夫し、レッスンプランを作成しました。(髙木さん)
Q3. 学生として受講した授業は何ですか?
私はダンスの授業を履修しました。日本とアメリカではダンサーというものに対する扱い方が少し違っているなというのを感じながら受講していました。日本のイメージは学校でダンスを学んでいるということは学生であってまだダンサーとは呼ばないような認識でしたが、アメリカでは学生であっても一人のダンサーとして尊重されているように感じます。モダンダンスの授業とバレエの授業とヨガの授業を履修しました。(髙木さん)
「Foundations of Education」という授業を受講しました。週2回80分間の講義があり、宿題も毎回ありました。この授業では、教育学の概論として、4部構成で講義が行われました。公立学校の教育や、教育史、移民政策と教育、先生たちの労働環境問題の4つで、アメリカの教育現場が抱えている問題について考えるというものでした。宿題の内容は、指定された論文や本の一部を読んで質問に答えるものが多く、英語の読み書きに非常に苦労しました。また、言語面以外にも、アメリカの教育システムや、アメリカの歴史についての基本的な知識を持ち合わせている必要があり、他の学生よりも予習に時間をかける必要がありました。得られたものとしては、英語の能力が僅かではありますが、上がったこと、そして何より、アメリカの社会構造について学べたことは、大きかったと思います。(井上さん)
Q4. 名市大での大学生活と比べて違う点、驚いたことなどがあれば教えてください。
学生生活については全く異なっているように感じます。まずキャンパスに住んでいるので、それが大きな違いです。
授業構成についても、1科目について週1回ではなく、基本的には週2~3回、1つの授業があります(上記「週間スケジュール」参照)。つまり、名市大と比べて1科目の重さが異なります。1回1回のクラスの時間は少なくても、週に何回もその授業を受けることによって学生の理解度が高まっているように感じました。
特に日本語の授業については月曜日から金曜日まで毎日何かしらの授業があります。言語を学ぶ際には繰り返しの練習が特に大切になってくるので、このシステムは言語学習にとても適していると思いました。(髙木さん)
授業構成についても、1科目について週1回ではなく、基本的には週2~3回、1つの授業があります(上記「週間スケジュール」参照)。つまり、名市大と比べて1科目の重さが異なります。1回1回のクラスの時間は少なくても、週に何回もその授業を受けることによって学生の理解度が高まっているように感じました。
特に日本語の授業については月曜日から金曜日まで毎日何かしらの授業があります。言語を学ぶ際には繰り返しの練習が特に大切になってくるので、このシステムは言語学習にとても適していると思いました。(髙木さん)
Q5. 現地では物価も生活環境も違いますが、生活費などの心配はありませんでしたか?
渡航前の説明会でも授業料、食費、寮費、飛行機代などが全て支給され、その他に奨学金(お小遣い)がいただけると聞いていました。
実際こちらで生活してみると、毎日午前7時から午後10時まで営業しているカフェテリアがあるので、食堂が空いている時間であればいつでも食べに行くことができます。しかも大学側が補助してくれているので、自炊したい時以外、食費はかかりません。
また、寮費、授業料についても大学側からの補助なので無料です。自費で払うものとしては、休み期間中の旅行や自分で何か買いたいと思った時だけになります。
TAとしてのお給料は月に2回支払われ、1回約400ドル、月に800ドルほど支給されます(1ドル130円換算で約104,000円/月)。
TAの仕事は大変ですが、生活費の心配なく教育経験を積ませてもらえるので本当に恵まれていると感じます。
実際こちらで生活してみると、毎日午前7時から午後10時まで営業しているカフェテリアがあるので、食堂が空いている時間であればいつでも食べに行くことができます。しかも大学側が補助してくれているので、自炊したい時以外、食費はかかりません。
また、寮費、授業料についても大学側からの補助なので無料です。自費で払うものとしては、休み期間中の旅行や自分で何か買いたいと思った時だけになります。
TAとしてのお給料は月に2回支払われ、1回約400ドル、月に800ドルほど支給されます(1ドル130円換算で約104,000円/月)。
TAの仕事は大変ですが、生活費の心配なく教育経験を積ませてもらえるので本当に恵まれていると感じます。
Q6.休日の過ごし方は?
Q7.プログラムも後半を迎えます。残りの期間で、やり遂げたいことや意気込みを聞かせてください。
まずは、日本語のクラスを無事に終えられることを目指しています。これからも学生たちに日本語をもっと好きになってもらえるように、そして上達してもらえることを目標に授業に取り組んでいきたいです。
また、より多くの学生と関われる機会を持ちたいと考えています。日本語のクラス以外にも、日本の文化に興味がある学生達が入っている「Japan Society」というサークルで、学生たちと会うことが多くあります。加えて、そこでは日本語のクラスを受講していないけれど、日本語に興味がある学生と知り合うこともあります。そういった学生たちと話すことで、別の視点で日本を見ることができ非常に興味深いです。
そして、学生として受講している授業でも、秋学期よりも多くのことを吸収できるように努めていきたいと思います。(井上さん)
また、より多くの学生と関われる機会を持ちたいと考えています。日本語のクラス以外にも、日本の文化に興味がある学生達が入っている「Japan Society」というサークルで、学生たちと会うことが多くあります。加えて、そこでは日本語のクラスを受講していないけれど、日本語に興味がある学生と知り合うこともあります。そういった学生たちと話すことで、別の視点で日本を見ることができ非常に興味深いです。
そして、学生として受講している授業でも、秋学期よりも多くのことを吸収できるように努めていきたいと思います。(井上さん)
ここでの生活を最大限に生かして、自分の学べるものをすべて学びたいと思っています。(髙木さん)