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カリキュラム(博士前期課程)


大学院看護学研究科 カリキュラム(博士前期課程)
大学院看護学研究科:博士前期課程の各教育分野の内容と担当者について。

大学院看護学研究科 博士前期課程 教育目標

臨地における問題や課題に積極的に取り組む研究?実践能力を養います。

各教育研究分野の内容と特徴及び担当者

看護学領域

? 性生殖看護学 (脇本寛子 教授、尾崎康彦 教授、保田ひとみ 准教授)
リプロダクティブ?ヘルス/ライツの視点から、思春期?成熟期?更年期?老年期という各ライフステージにある女性とその家族への健康教育支援、看護援助方法の探究に取り組みます。マタニティ?ステージにある母性の発達、ならびに母子とその家族のwell-beingの実現に向け、次代につなぐ看護援助方法を探究します。助産師の有資格者の場合は、助産学領域の助産学共通科目の一部の特論科目を受講することができます。また、性生殖看護学?助産学分野として、助産学分野の学生と研究に関わるディスカッションの機会を予定しています。
? 成育保健看護学 (山邉素子 教授、大橋麗子 准教授、遠藤晋作 准教授)
小児看護学の対象は出生前から慢性疾患のキャリーオーバー、AYA世代と範囲は拡大しています。患児の人権と看護を探求するために健康な子どもの日常生活から観つめ直す必要があります。指導教員は看護師?助産師として小児科で脳神経から小児がん、小児ICUと多様な経験をしました。1年目の前期は文献検索、デザイン、統計、文章作成、ユニバーサルデザインとしてのスライド?図表作成を学修します。後期は英文抄読会をします(電子辞書さえあれば大丈夫!)。計画書?抄録作成を踏まえて2年目に研究を開始します。
? クリティカルケア看護学 (中村美鈴 教授)
急性臓器障害や侵襲的治療によって生命の危機状態に陥った人々の特徴や体験、患者や家族の看護実践上の問題や倫理的課題を検討します。そして、患者の生命維持、生理的機能回復、全人的苦痛緩和、日常性回復、セルフケア能力回復、Quality of Life向上、End-of-life-Careを支える高度かつ専門的な看護実践、家族への支援方法を探究します。また、修士論文の作成においては、自らの研究疑問をもとに研究課題を絞り込み、研究計画書作成からデータ収集と分析、結果?考察などの研究論文作成までのプロセスを修得します。学生には主体的な研究活動とともに、大学院ゼミを活用した積極的な議論を期待しています。
? 周手術期看護学 (明石恵子 教授)
周手術期看護学分野では、治療の選択肢として患者に手術の可能性が提示された段階から、術前?術中?術後管理、そして社会復帰後の生活支援に至る一連の期間における看護を探求します。具体的には、手術療法が適応される疾病や病態、麻酔、全身の評価方法、臨床推論、医療安全など幅広い知識を修得し、患者の苦痛緩和、術後の機能低下の防止と回復力の強化、手術によって変化する身体の構造や機能への対応などの支援方法を議論します。
? 慢性看護学 (安東由佳子 教授)
がん、生活習慣病(糖尿病、慢性腎臓病、心不全等)、難病などの慢性疾患患者や家族へのケアに関する研究に取り組んでいます。近年は、慢性疾患をもった高齢者を対象とした研究等、慢性疾患看護に関するテーマを幅広く扱っています。また、慢性疾患患者をケアする看護師を対象とした研究、看護師や看護学生のメンタルヘルスに関する研究も実施しています。修士論文作成のプロセスをとおして、Evidenceに基づいて物事を論理的に捉える能力を高めながら、基本的な研究能力を育成していきます。
? 高齢者看護学 (平田弘美 教授、小山晶子 准教授)
高齢者看護学分野では、高齢者医療?高齢者ケアが抱える課題を明確化し、改善するための実践的な研究?教育を行います。指導する教員は、認知症高齢者のBPSD ( Behavioral and psychological symptoms of dementia)に関する研究や、高齢者の服薬アドヒアランスに関する研究に取り組んでいます。大学院生自身の関心や疑問を出発点として、文献検討を行い、リサーチクエスチョンを見出します。研究計画の立案、倫理審査の申請、データ収集?分析、論文執筆という一連の過程を通して基礎的な研究能力の習得を目指します。
? 先端医療看護学 (窪田泰江 教授、加古英介 教授、鏡裕行 教授)
先端医療看護学では、麻酔?集中治療の領域と泌尿器の領域における専門医が、患者の呼吸?循環病態生理もしくは排尿生理?排泄ケアを中心に研究指導します。呼吸、循環など、患者の病態変化に迅速に対応するための方法を探求したり、膀胱収縮?弛緩のメカニズムを理解することで、より良い排泄ケアのアセスメントを探求することができます。また、看護情報センター所属の教員が、諸現象の数理モデルによる解析を中心に研究指導します。導出した数理モデルを検証するため、測定や観察によるデータ取得や、その統計的解析についての研究成果を、ヘルスケアや治療方法に応用します。
? 看護マネジメント学 (樅野香苗 教授、宮内義明 准教授、秋山直美 准教授)
保健?医療?看護におけるケアの質向上に貢献できる研究を目指しています。特に、ケア提供者である看護師のストレスマネジメントや人的資源管理、管理者の人材育成、医療安全管理、医療?看護情報の利活用等について探求していきます。さらに、ケアマネジメントの視点から、緩和ケアを必要としている対象への症状マネジメント、意思決定支援やEnd of Life(EOL)ケア提供システムの構築、看護介入方法に関して研究を行っています。関連論文を批判的に読み、研究計画を立案?実施し、研究論文を執筆する一連のプロセスを通じて、研究マインドを養うとともに、研究を行う基礎的能力の修得を目指します。
? 感染予防看護学 (矢野久子 教授、安岡砂織 准教授)
医療関連感染などの感染予防ケアに関する研究を行っています。感染予防は、小児から高齢者まで、あるいは病院での急性期から慢性期、施設や在宅での長期療養まで幅広く求められる領域です。個人及び集団に対して多角的な視点で探求します。感染管理認定看護師等の臨床看護師や教員の方は、在職のままで学修継続ができる長期履修制度を活用することが多いです。長期履修生は、一年次に先行研究の文献検討と研究テーマの明確化、研究手法の習得、二年次に倫理審査の受審とデータ収集、三年次にデータ収集?解析と修士論文の作成を行います。
? 精神保健看護学 (香月富士日 教授、谷向仁 教授)
精神疾患をもつ方やそのご家族に対して、より良い専門的ケアの提供やケア提供システムを構築できることを目的に、各関連要因の関係性の分析を研究的視点を用いながら探求します。また、看護職を対象としたメンタルヘルスや感情の問題を取り上げ、看護職者が健康的に働き続けるためのサポートを探求します。
? 在宅看護学 (秋山明子 教授、井上高博 准教授)
在宅看護学分野では、療養者?家族の在宅療養生活の質向上、ソーシャルキャピタルの醸成による介護予防支援、地域のコミュニティケアに関わる専門職の能力開発等、地域包括ケアの充実等をテーマとした研究を行っています。博士前期課程では、基本的な研究手法と論文作成のプロセスを学び、研究の基礎的能力を養います。
? 地域保健看護学 (門間晶子 教授、尾﨑伊都子 准教授)
地域で様々な事情を抱えながら暮らす人々の生活や健康の状態、看護職者の活動、およびそれらにどのような要素が関連し影響しているのかについて探求します。大学院生の関心?疑問が研究で取り扱う問い(研究疑問)へと洗練され、明確な目的に基づく研究計画立案、調査実施、データ分析、論文作成という一連のプロセスを歩みます。研究を進める上では、地域住民のとらえ方や視点を尊重した研究方法を検討します。当事者、家族、支援者など、様々な人々の相互作用や保健師等看護職者の支援のあり方の検討にもつながる研究ができると考えます。
? 国際保健看護学 (樋口倫代 教授、金子典代 教授、江啓発 准教授)
疫学を中心に、健康科学、社会科学など学際的なアプローチを用いて、国際的視点をもって取り組むべき健康課題の現状把握、対策について探求します。博士前期課程では、基本的研究手法の修得と先行研究検討を通して問題意識を「取り組み可能な問い」に作り上げて行くこと、そして、その問いにふさわしい研究計画を立て、データ収集、分析、論文を作成する一連のプロセスを学ぶことに重点をおきます。マイノリティや脆弱な集団の健康や、健康における公正を目指そうとする研究課題であれば、研究対象地は国内?外を問いません。
<看護学領域:専門看護師教育コース>
専門看護師は、ある特定の看護分野において「卓越した看護実践能力」を有することを認定される看護職者です。それぞれの専門看護分野において、質の高い看護ケアを提供するために、次のような活動をしています。
  1. 健康問題を持つ方やご家族などに、直接、専門的で質の高い看護ケアを提供すること(実践)。
  2. 看護スタッフや他の医療職者など、ケアに関わる人への教育的な役割を果たすこと(教育)。
  3. ご家族や看護スタッフなど、ケアに関わる人の相談にのること(相談)。
  4. 必要なケアがスムーズに提供されるように、ケアに関わる人々の間の調整を図ること(調整)。
  5. 専門知識?技術の向上や開発のために研究活動を行うこと(研究)。
  6. ケアにかかわる倫理的な問題について、関係者間での話し合いが持てるように調整すること(倫理調整)。
*日本看護系大学協議会ホームページより
? クリティカルケア看護学 (中村美鈴 教授)
急性?重症患者看護専門看護師には緊急度や重症度の高い患者に対するケアとキュアの融合による高度かつ専門的な知識と技術を用いた直接的ケアや苦痛緩和、家族支援などの実践、倫理的課題の調整、多職種間との連携?協働、相談、教育などを通して、最善の医療が提供されるよう支援することが求められます。本コースでは最新の治療?看護に関するエビデンスを学修し、学生の主体的な講義参加、事例に対する多面的な議論、職種間連携を考慮した実習によって高度実践看護師に必要な能力を修得します。さらに、看護実践上の疑問をもとに課題研究に取り組み、研究のプロセスを修得します。学生には主体的な研究活動とともに、大学院ゼミを活用した積極的な議論を期待しています。
? 精神保健看護学 (香月富士日 教授、谷向仁 教授)
精神看護専門看護師は、精神療育の対象者?家族?集団に対して、卓越した看護援助を行う力を必要とします。このコースでは、精神症状と健康問題の適切な査定を行った上で、看護を展開できるようにします。また、精神領域の特殊な介入として、個人?集団?家族に対するセラピーを行う力を養います。実習においては、講義?演習で得た知識?技術をもとに、対象者の直接看護ケア、コンサルテーション、コーディネーション、およびセラピーの実際を指導を受けながら行い、精神専門看護師としての総合的な能力を修得します。
*専門看護師教育コース(クリティカルケア看護学、精神保健看護学)を希望する場合は、必ず担当教員に事前相談をしてください。
<周麻酔期看護師教育コース>
? 周手術期看護学 (明石恵子 教授)
周麻酔期看護師(Perianesthesia Nurse:PAN)は、麻酔科医と協働して周麻酔期医療の安全と質の保障?向上を目指す存在です。手術中の麻酔と術前?術後管理のみならず、救急?集中治療、慢性疼痛治療(ペインクリニック)、無痛分娩、終末期医療などでの活躍が期待されています。本コースでは、看護学を基盤として、麻酔に必要な解剖学、生理学、薬理学、麻酔?手術侵襲に対する管理と合併症予防、臨床推論、医療安全などの専門的知識と技術、患者の全身管理方法を学修し、麻酔に関わる包括的ケアの実践能力を修得します。
*周麻酔期看護師教育コースを希望する場合は、必ず担当教員に事前相談をしてください。

助産学領域

? 助産学 (脇本寛子 教授、尾崎康彦 教授、保田ひとみ 准教授)
助産師有資格者が学修する「修士論文コース」?「上級実践コース アドバンスコース」と助産師国家試験受験資格取得に向けた「上級実践コース 助産師国家試験受験資格取得コース」の3コースからなります。 ◆修士論文コース
助産学領域における女性とその家族、母子の健康維持や健康を阻害する問題に関わる臨床疑問や臨地的な課題の中から取り組む研究課題を明確にします。その研究課題に対し、適切な研究手法を用いて助産学的視点から探究し、修士論文を作成します。助産師免許(取得見込み含む)を有することが必要です。将来的に研究者?教育者を目指している方は、アドバンスコースより修士論文コースを勧めます。
◆上級実践コース アドバンスコース
助産師免許(取得見込み含む)を有するものがスキルアップを行い、より高度な助産実践能力を修得できるようリカレント教育を行います。2年前期に実習2科目?実習計画に必要な演習を履修し、課題研究に取り組むところが修士論文コースとの主な違いです。助産学特論?演習?実習を通して研究課題を明確にし、研究の一連のプロセスを通して助産ケアに貢献しうる知見を課題研究成果物としてまとめます。臨地での活躍が期待されます。助産師免許(取得見込み含む)を有することが必要です。
◆上級実践コース 助産師国家試験受験資格取得コース
基礎助産学の修得、周産期ケアや女性の健康支援について学修を深めることにより、研究的素養と高度な助産実践能力を将来発揮できる助産師の育成を目指しています。看護師免許(看護師国家試験受験資格)を有することが必要です。専門科目(実習、課題研究を含む)14単位以上と併せて助産師国家試験受験資格取得に必要な33単位と他分野の専門科目ならびに専攻支持科目群から14単位以上、合計61単位以上を修得します。国家試験受験資格取得に必要な実習11単位を1年後期に、2年前期に上級実践コースの実習2科目を行います。講義?演習?実習を通して研究課題を明確にし、助産ケアに貢献しうる知見を課題研究成果物としてまとめます。