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松本教授の新しい量子もつれ現象を発見した論文が,アメリカ物理学会誌のPhysical Review Bに掲載されました!


本学研究科 松本貴裕教授の新しい量子もつれ現象を発見した論文が,アメリカ物理学会誌のPhysical Review Bに掲載されました!

■PHYSICAL REVIEW B 103, 245401 (2021).
■American Physical Society

https://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.103.245401

論文内容)
水素分子は,(1) 三重項状態では,2 つの陽子核スピンが平行に整列し,(2) 一重項状態では,2 つの陽子スピンが反平行に整列しています。これらの状態は,「核スピンの量子もつれ状態」と呼ばれ,1927 年にハイゼンベルグとフントによって提案されました。

量子もつれ状態は,天体物理学から量子情報技術に至るまで,さまざまな研究分野で重要な役割を果たしています。

ハイゼンベルグ等の量子もつれ現象発見より100年経ちますが,水素の量子もつれ状態は気体中または液体中でのみ観測されており,固体中では観測されて居りませんでした。

松本教授らは,シリコン表面に終端した水素が量子もつれ状態にあることを,非弾性中性子散乱分光法を用いて見出しました。

今回発見された水素の量子もつれ状態は,シリコン結晶表面に,膨大な数のQubitsとして形成されているため,従来考案されている量子コンピューティング技術はるかにしのぐ計算速度を実現することができるようになります。また,現代のスーパーコンピューティング技術の上に立脚した新しい量子コンピューティング技術を実現できることが可能であると考えられます。