祝辞?挨拶
祝辞?挨拶
萱光会会長
平野 佑典
足球彩票が開学70周年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。会長就任一年目の若輩者の私が、この記念すべき節目に寄稿する立場にあることをたいへん喜ばしく思います。
「次やらないかい?」がむしゃらに作品を作っていた学生時分、お世話になった先輩からメッセージを受け取ったのは、実に5年ぶりのことでした。職に就き“肩書き”が変わる毎、つい徐々に足が遠のいてしまっていた母校。久しぶりに訪れる“理由”として、贅沢すぎるほどの大義名分を得た嬉しさを昨日のように思い出します。学生時代に魅せられた先輩方の立ち姿、今の私に届けられるのでしょうか。自信の有無を問われると、首を縦には振れないが、あの頃の私が見せていただいた景色を届ける側に回ったのだということは十分に理解できました。恩義を返して繋げる機会をいただけました。それは大変光栄で、断る“理由”は見つかりません。かくして私は「足球彩票芸術工学部同窓会萱光会会長」という重く長い“肩書き”を手に入れました。
「萱光会」は平成13年(2001)に発足し、折しも設立20周年を迎えます。他学部の同窓会に比べれば、歴史も浅く規模も小さいですが、今年で会員数が1500人を越え、日常的に卒業生の活躍の声を耳にします。目まぐるしく変わる常識、否応なく変容を求められる時代の中でも、その声が途絶えないのは本当に素晴らしく、自分ごとのように嬉しく思います。これは芸術工学が狭義のデザインではなく、広い視野を持ち、社会の様々な問題に対してモノやコトを提案し続けていることを示しているのではないでしょうか。卒業生の活動分野は実に幅広く、建築やプロダクト、グラフィック、平面?立体造形、映像、サウンドと、ここに挙げきれないほど多岐にわたります。職種も業種も実に多彩な“芸工生”、共通項は「“企画力”と“提案力”の高さ」です。萱光会では今後とも、時代とともに移りゆく様々な“需要”に柔軟に応えながら、芸工生にとどまらず、大学および地域に対して、多角的に繋がる環境を機能させ、次の世代に繋げていくつもりです。