細胞分子薬効解析学
スタッフ
山村 寿男
[教授]
鈴木 良明
[講師]
近藤るびい
[助教]
教育?研究
- イオンチャネル分子機能とその細胞機能への寄与の解明及び各種病態における発現?機能変化とその機構解明
- イオンチャネル発現分布と発現調節機構の解明及びチャネロパチー関連解明
- 神経?筋及び非興奮性細胞における細胞内Ca2+動態とイオンチャネル?イオントランスポーターの機能関連と細胞内微小構造の解明
- イオンチャネル作用薬効率的検索の方法論とチャネル作用薬の創薬
研究概要
特定イオンに選択的透過性を有する膜タンパク質のイオンチャネルは、細胞イオン環境を整え細胞生命維持?増殖?細胞死の制御で中心的役割を果たします。神経?筋細胞でイオンチャネルは、開閉により電気信号を生じさせ、神経活動や心拍動などの速い生体活動の分子基盤を担います。イオンチャネル機能が損なわれると様々な重篤な疾患に陥ります。当分野では疾患関連生体因子としてのイオンチャネルの分子機能解明およびイオンチャネル標的薬物の開発を研究目標としています。
1) 肺高血圧症の新規治療薬を指向したイオンチャネル創薬
肺高血圧症分類の第1群である肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺動脈平滑筋の攣縮や肺血管リモデリングに起因する難病です。発症後の予後は極めて不良であり、5年生存率は約50%です。PAHの発症や病態機構は、ほとんど分かっていません。近年、数種類の治療薬が開発されましたが、依然として十分な薬物治療が確立されたとは言い難い状況です。そのため、既存薬とは異なる作用機序の治療薬が切望されています。
2) 動脈硬化を引き起こす新しいメカニズムの解明
我が国では、高血圧者数は 4,000万人以上と推定され、高血圧に起因する脳心血管病死亡者数は 年間約10万人に上ると考えられています。高血圧が持続すると動脈硬化が起こり、脳心血管病のリスクが高くなります。動脈硬化が発症する原因として、免疫細胞の一種であるマクロファージが血管壁に集積することがわかっていましたが、具体的なメカニズムは不明でした。
私たちは、高圧負荷に応じて血管平滑筋細胞内に流入したカルシウムイオンが、興奮-転写連関(E-Tカップリング)と呼ばれる現象を起こして、マクロファージの集積と動脈硬化を起こすことを明らかにしました。既存のカルシウム拮抗薬が動脈硬化の進展を抑制する機序はわかっていませんでしたが、本研究によって明確な分子メカニズムが初めて明らかになりました。今後、本研究で見出した新たな動脈硬化形成メカニズムを標的とした高血圧および脳心血管病の新しい治療薬開発が期待できます。
私たちは、高圧負荷に応じて血管平滑筋細胞内に流入したカルシウムイオンが、興奮-転写連関(E-Tカップリング)と呼ばれる現象を起こして、マクロファージの集積と動脈硬化を起こすことを明らかにしました。既存のカルシウム拮抗薬が動脈硬化の進展を抑制する機序はわかっていませんでしたが、本研究によって明確な分子メカニズムが初めて明らかになりました。今後、本研究で見出した新たな動脈硬化形成メカニズムを標的とした高血圧および脳心血管病の新しい治療薬開発が期待できます。
3) 門脈圧亢進症に関与するイオンチャネルの機能解析と創薬
肝硬変や門脈閉塞症などに起因する門脈圧亢進症では、食道?胃静脈瘤、脾腫、腹水などの重篤な病態を引き起こします。しかし、門脈圧亢進症の発症や病態機構には不明な点が多く、適切な治療薬も存在しません。我々は、門脈圧亢進症モデル動物を用いて、門脈平滑筋におけるイオンチャネル発現機能変化を解析し、門脈圧亢進症の分子機構の解明を目指しています。また、発現機能変化したイオンチャネルを分子標的とした新規治療薬の開発にも取り組んでいます。
連絡先
〒467-8603 名古屋市瑞穂区田辺通3-1
足球彩票 大学院薬学研究科 医療機能薬学専攻
細胞分子薬効解析学分野
E-mail:yamamura<at>phar.nagoya-cu.ac.jp
TEL&FAX:052-836-3431
薬学研究科広報委員会
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